田村住照

 


現在、私はネットワーク事業部のなかで、Air Stationのファームウェア、ユーティリティ、ドライバ関連の開発を担当しています。
Air Station開発チームで「Wi-FiTM(ワイファイ)」を取得のために私が担当することになったのは、規格に合うようパッケージ、マニュアル、ドライバ、ユーティリティ……といった製品の総合的な修正でした。  「Wi-FiTM」はアメリカをはじめ海外で販売するためには不可欠な国際認証なのです。Air Stationをアメリカで販売できる製品にすることは至上命令ですから、私の担当は非常に重要な役割で責任も大きいわけです。私にとっては未知の部分もありましたし、社内のあちこちから注目もされていましたから、それはもう必死の毎日でした。あれほど責任を感じて、必死な想いをしたのは、入社以来、初めてのことでした。そして、私と一緒に「Wi-FiTM」対策・海外対策をしていたメンバーにも助けられて、なんとか足を引っ張らないですみました。今となっては、懐かしい思い出、というやつですかね(笑)。


「Wi-FiTM」規格のセッティングは、アメリカで行われたのですが、むこうで作業が行われている時間に、日本で私が社内にいないというのは、さすがにまずいだろうと判断し、私の勤務をむこうに合わせました。まぁ、むこうの作業が気になって家で寝ていられなかったというのもありますけれどね(笑)。規格のセッティング中は、24時に出社して、昼過ぎに退社という日々が続きました。そういうなかで、アメリカと連絡をとりあいながら、サポートをしていくわけですから、身体に堪えましたね。ベルトがだいぶ緩くなりましたから。 いよいよセッティングの最終日となったところで、ちょっとしたトラブルが発生してしまったのです。さいわい、すぐその原因を修正することができましたが、最終段階でのトラブルはやはり気持ちのいいものではありませんね。アメリカで認証テストが行われる日は、私のほかにもソフトウェア担当者が数名残って、むこうの作業を一緒に見守ってくれました。そして、アメリカから「合格したよ」と連絡が入り、みんなでほっとしたのが一番印象に残っています。


こうして無事に「Wi-FiTM」を取得できたAir Stationは、私たちの社内でも存分に活躍しています。たとえば、ここの隣のビルにもネットワーク事業部の40名ほどがいるのですが、今、私たちのいるビルとはAir Stationで結ばれているのです。Air Stationをつなぎやすい場所へ設置してさえおけば、途中で切断されることはありません。 無線LANと聞くと、とくに初心者の方などは難しく感じられて、尻込みをされることもあるかと思います。しかし、一度だけでもいいので、とにかく無線LANの環境を体験してみてください。これまでの有線LAN環境には戻れなくなるほど、便利さ・快適さを味わえるはずです。私に騙されたと思って、お試しください。

(2000.8.21 談)


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